人生継続計画(LCP)とは|企業のBCPを「自分の人生」に応用する

「会社のBCPは作ったが、自分や家族の人生に何かあったときの備えは、正直ほとんど考えていない」。企業研修の受講者から、この言葉を何度も聞いてきました。会社の事業継続は真剣に考えるのに、自分の人生の継続は後回しになっている方が多いのです。

この記事では、私が提唱している人生継続計画(LCP)とは何か、そして企業のBCPの考え方を自分の人生にどう応用するかを整理します。

人生継続計画(LCP)とは何か

LCPは Life Continuity Plan の略で、災害、病気、事故、失業、大切な人との死別といった、人生を揺るがす出来事が起きても、暮らしと自分らしさを続けられるように、あらかじめ考えておく計画です。

企業のBCPは「重要な業務を、どの順で、いつまでに、誰が、どう復旧するか」を決めます。LCPはこの問いを、そのまま人生に置き換えます。私は災害現場で、家も仕事も失った方が「それでも続けたいこと」を持っている人ほど早く立ち直る場面を見てきました。その差を、偶然ではなく準備で生み出すのがLCPの目的です。

BCPの四つの問いを人生に置き換える

LCPは難しい書式を必要としません。BCPの骨格をなす四つの問いを、自分に向けて考えるだけです。

  • 守りたいものは何か:家族、健康、仕事、住まい、続けたい活動を、優先順位をつけて書き出す
  • 何が起きたら困るか:災害だけでなく、病気、収入の途絶、介護など、自分に起こりうる出来事を並べる
  • 止まったら、どの順で立て直すか:まず安全、次に連絡、次に住まいと収入、と復旧の順番を決める
  • 誰に頼れるか:家族、友人、職場、地域、公的な窓口など、頼れる相手を具体的に名前で書く

四つ目が意外と書けない方が多いのです。「頼れる人がいない」ではなく「まだ頼んだことがない」だけの場合が大半なので、平時に一度声をかけておくことがLCPの実践になります。

企業研修でLCPを扱う意味

企業がLCPを研修に取り入れる意味は二つあります。一つは、社員個人の暮らしが立て直せなければ、社員は出社できず、BCPは動かないということです。安否確認や参集計画の前提には、社員の家庭の備えがあります。

もう一つは、「自分の人生の備え」として考えると、防災が自分ごとになるということです。受講者からは「会社の訓練は他人ごとだったが、家族と自分の話になった途端に真剣になった」という声をいただきます。LCPは、防災を個人のレジリエンスの話に引き寄せる入口になります。

LCPは「不安を減らす」ためのもの

備えを考えると、かえって不安が増すと感じる方もいます。しかし、LCPは起こりうる悪いことを列挙するためではなく、「起きても、こう立て直す」と決めておくことで、平時の不安を減らすためのものです。

私自身、多くの現場で「準備していたから慌てなかった」という方に出会ってきました。計画は完璧である必要はなく、書き直す前提で構いません。年に一度、家族の誕生日や防災の日に見直す習慣にすると、無理なく続きます。

人生継続計画(LCP)を明日から始める一歩

まず、「守りたいものは何か」を三つだけ紙に書いてみてください。それができたら、その三つのうち一つについて「止まったら誰に連絡するか」を決めることです。人生継続計画(LCP)とは、大がかりな文書ではなく、自分の人生の優先順位を言葉にしておく作業です。企業のBCPで培った考え方は、そのまま自分と家族を守る力になります。

関連サービス

LCPを含む個人と組織のレジリエンス研修についてはレジリエンス研修をご覧ください。講演・研修のご相談はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

講演・研修のご相談はお気軽に

内容・日程・ご予算に応じてご提案いたします。まずはお問い合わせフォームまたはお電話でご連絡ください。

お問い合わせフォームへTEL 03-6432-1171(平日 9:00〜18:00)
電話で相談 フォームで相談